窪美澄作品。
かなり、面白かった!!
あっという間に読み終わってしまった。
2030年。
若者は、恋愛も結婚もしない子供も産まない。
少子化問題が加速していた。
その上、若者の自殺者が増え続ける一方。
渋谷で出会った謎の女性・ログの勧めで
ミツキは、国が設立したお見合いシステム
「アカガミ」に志願する。
この「アカガミ」というタイトルが
なんか、不穏だなと感じた。
あと、私たち世代の感覚で読んだら
ダメかも。
街には、若者の姿が、ほとんど見ることができない。
若者同士が、飲みに行ったり遊んだりしない世界。
他者に興味がない若者は誰もが自殺を考える世界。
「アカガミ」に志願し、教習所と呼ばれる場所で
講習を受け、団地で番いとなる異性(国がマッチングさせた相手)
と、同居し、まぐわいや妊娠を促す制度。
講習を受けてやめてもいいし
団地でマッチングした相手をチェンジしていいし
やめてもいい。
この、イヤだったら途中でもやめてもいい制度が
どんどん、そうじゃなくなるコワさ。
ミツキと、マッチングしたサツキは
同じ世代と関わりをもつことがない者同士
恋をし、カラダのカンケーをもつことになる。
同居、妊娠、出産までの手厚いサポートはあるのに
「結婚」婚姻届を出すのは個人なんだ?
と、思ったけど
この「アカガミ」の本来の目的を考えたら
ああ、なるほど・・・と思った。
欲しいのは、「子供」だけなんだよね。
だから、それまでは住む場所も食事も
すべて支給される。
外で働いて家事をする必要がない。
「団地」から「マンション」へと
どんどん、生活のレベルが上っていくけど
外の人間を入れることは禁じられているので
家族を中に入れることもできない。
この隔離された場所は、ほんとに
国に「飼われている」状態なんだろう。
若い世代では、めずらしく
早く結婚して子供が欲しいと思ってるハルノは
同世代からは異端者扱い。
そんなハルノは、団地の頃から
「アカガミ」を信じ切っているし
マンションで子供を産んで
素晴らしい制度だと思っている。
多分、ハルノはミツキより年上だけど
見た目、高校生に見えるくらい
中身も幼いんだと思う。
こんなに、国からよくしてもらうのには
何か目的があるのでは?
裏があるのでは?
そんなことを、1ミリも疑わないんだもんな。
用心深かったミツキも妊娠してから
考えることをやめてしまうし・・・
実際、「アカガミ」に志願しなければ
サツキとも出会えなかったし
サツキとの出会いは、ミツキには大きい。
その大切なパートナーを得た代わりの代償が
私的には、怖っ・・・
って、思ったので
サツキが、最後、あの檻の中から
逃げ切った!!!!
と、思ったキモチは共感しかなかった。
もし、「アカガミ」制度で、職も奪われていたら
と、思うとコワイ。
サツキも仕事してたし、ミツキも休職しただけだから
お金を得る仕事まで失ってなくてよかった。
そして、ミツキの住んでたマンションも残っててよかった。
逆に、仕事をやめてしまったハルノは
何も知らずに、楽園だと思って暮らすのか?
「アカガミ」の恩恵で、ミツキの母が
施設に入れてたから、施設から出されても
自分のマンションがあるけど
サツキの家族は、どうなるんだろう?
かなり田舎の貧しい暮らしだと言っていたし
もう、恩恵が受けられないわけだから
金銭面で、サツキとミツキは共働きしながら
支えていくのかな?
など、いろいろと考えてしまうけど。
でも、サツキなら力強く家族を守りながら
生きていくと思った。
そして、タイトルの「アカガミ」の意味を
知って、鳥肌だよねw
やっぱり、読書って楽しい!!