放課後の教室

ドラマ、映画、本、感想ブログ

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雨のなまえ

窪美澄の短編小説。

 

最近、大好きな作家さんだ。

窪美澄は、短編より長編の方が向いてる気がする。

 

「雨のなまえ」

出産を間近に控えた妻に怯える男

記録的短時間大雨情報

パート先で働く大学生に恋する中年の主婦

「雷放電」

美しい女と二人だけの世界に浸る男

「ゆきひら」

心に傷を抱えながら、いじめ問題にあたる中学教師

「あたたかい雨の降水過程」

仕事と子育てに追われるシングルマザー

 

出口の見えない「現代」を生きるということ

と、帯に書かれたように、どの物語も

スッキリと終わる話じゃない。

 

「雨のなまえ」

大学時代につき合った彼女の

流産を期に、流れで結婚してしまうが

いざ、結婚し妻が妊娠すると

主人公の男は、浮気をする。

 

主人公の男と妻の育った環境が

かなり違うので、それでも最初は恋に

落ちたと思うんだけど

浮気相手との方が境遇が似ていたのかも?

 

妻が、破水して、もうすぐ子供が生まれそう。

浮気相手が、自殺未遂して病院に運ばれる。

しかも、ケータイには主人公の男の連絡先しか

入っていない。

どっちに行く?どっちを選ぶ?

どうなっちゃうの???

これが、長編なら着地点が描かれると思うんだけど

短編だから、モヤモヤする終わり方だ。

 

記録的短時間大雨情報

夫が不倫しDVも受けたのに離婚せず

姑の面倒まで見ることになるパート主婦。

いくら、子供がいるとはいえ

そんな夫は捨ててしまえばいいのにって。

 

姑は、少しボケが始まっているが

品のあるおばあさんだ。

パート主婦にとって、姑が救いになる。

ちょっと、意外。

よく、こんな品のある親から

クズのような息子が育ったなと思った。

 

大学生への恋に突進するのではなく

離婚へ突進するべきだったと思う。

 

「雷放電」

これは、かなり変化球だった。

窪美澄が、こーいう作品を書くのって意外だな。

 

「ゆきひら」

いぢめられる女性を好きになる性癖だと

中学教師の男は思ってるけど

大学時代からつき合っている美しい妻との

情事で、初恋の中学生や生徒の中学生を

妄想してるのが、フツーにキモい。

 

多分、中学教師の本当の性癖は

未成熟なカラダの10代女性だと思う。

実際、大学時代の妻は少年のように細かった。

大学生といったら、まだ10代で入学するし。

 

生徒を助けて、死んでしまえばいいのにって

思った。

 

でも、実際は、もっと重い罰を受ける

ラストになっていた。

窪美澄、容赦ないw

 

「あたたかい雨の降水過程」

モラハラ、DV、不倫をされたわけではなく

もう夫と一緒には暮らせないと別居し

小学生の息子と、ふたりで生活するシングルマザー。

 

離婚したい理由が、よくわからない夫は

どんどん攻撃的になっていく。

それは、そうかも。

もし、自分だったら、戸惑い

やっぱり攻撃的になると思う。

 

シングルマザーのキモチは

ただ、息子とふたりだけで暮らしたい。

 

1対1が、一番心地よくて

3人の家族になった途端

1対1じゃなくなるのが無理になるなんて

そんなことあるんだ?

 

ふたりの生活より、友達の家に

入り浸るようになる息子。

 

最初は、シングルマザーを嫌っている女性とか

なんで、嫌うんだろう?

と、思ってたけど

息子の友達の母親の最後の言葉で

ああ、と、わかった。

そうこうことか。

 

ひとりでも子供を育てられると思っていても

子供にとっての幸せは別だと思う。

 

友達の家には、おじいちゃんや中学生のお兄ちゃん

そして、一緒に遊ぶ友達がいる。

 

子供にとっては、親以外に可愛がってくれる人って

大事なんじゃないかって思う。

 

唯一、この作品だけが、最後に希望が見えた。

 

読者のための配慮だろうと書いてあったので

そうかもしれない。

 

これが、すべて長編なら、もっと

深堀りしてほしかったキャラもいたし

その後、どうなったの?とか知りたくなったので

窪美澄作品は、やっぱり、長編を読みたいな。