内田春菊の本で、初めて読んだ作品。
養父から性的虐待を受ける中学生の主人公・・・
そして、それを知ってて止めない母親・・・
性的虐待を受けない世渡り上手な妹・・・
読んでて思ったのは、この家庭が狂ってるということ。
母親なら、死ぬ覚悟で止めないのか?
娘より、男を取るのか?
読んでて、ほんとに辛かった・・・
こんな世界が、ほんとにあるのか・・・
読み手の私には、何もできるはずもなく
ただ、ただ、私は無力だと思い知った・・・
あとから、この作品が、内田春菊自身の過去の
自伝的小説だと知って呆然とした・・・
どうか、内田春菊が幸せになってほしいと
思った。
物語は、どこにも救いがなくて・・・
解決策もなくて・・・
そりゃ、そうだよね・・・
家庭って、見えない世界でのこと
誰も、わからないよ。
そして、わかっても誰も助けられないよ・・・
それが、「家庭」という小さな世界であり
地獄になったら逃げ場もない・・・
祈るように、読み進めていくと
主人公は、ある日、突然、家出をする。
あぁ・・・
そうか・・・
家を飛び出すことしかなかった。
少女が、家を捨てて
飛び出していったことで
私は、安堵した・・・
この先の少女が、どうか幸せになりますように。
と、いう思いで
内田春菊の作品を、次々と読んだのを
覚えている。
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