雨、逃げ出した後

ドラマ、映画、本、感想ブログ

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市子

ずっと、気になっていて

やっと、アマプラで見れた。

 

「プロポーズした次の日

突然、彼女は姿を消した」

 

という、予告だったと思う。

なぜ、彼女は姿を消さなければならなかったのか?

 

その彼女、市子は家庭環境の悪いところで

育った。

難病のある妹の世話をしていたし

母の交際相手からは性的虐待を受けていた。

そして、市子には戸籍がなかった。

 

不幸てんこ盛りの市子だけど

市子は、なぜか一部の男子が夢中になる女子だった。

 

子供の時から、男子に好かれ

高校生になると彼氏もできて

彼氏以外の男子からも好意を寄せられていた。

 

天真爛漫な可愛い女の子だったわけでもなく

どことなく影のある女の子だけどモテるという

謎の魅力をもった市子。

 

そんな魔性の魅力をもつ市子に

100%同情はできなかった。

 

無意識に惹きつけてしまっていたとしても

それを利用してるのは市子自身の意志だから。

 

男を利用してきた母に似てしまったのか?

わからないけど

「市子」という女性に、不気味さも感じた。

 

杉咲花の演技が、うますぎる!!

 

婚約者が、消えた市子を探すうちに

市子の過去がわかってきて市子の母親のところまで

たどり着くんだけど

もし、市子と再会したとしても

市子を変えることはできないんじゃないかな・・・

 

市子は、罪を重ねて生きている。

婚約者が、市子を探しているあいだにも・・・

 

これは、かなりモヤモヤする終わり方だった。

でも、そこも邦画らしい。

 

戸籍がないドラマを、昔、見たことがあったけど

戸籍を新たに作るには、母親も協力しなきゃいけないので

市子のあの母親が協力するか?と考えたら

やっぱりムリなのかな?とも思った。

八日目の蝉

「優しかったお母さんは

私を誘拐した人でした。」

 

ずっと、気になっていた映画。

 

たまたま、テレビで映画の放送があって見た。

 

秋山丈博(田中哲司)の愛人であった

野々宮希和子(永作博美)は

秋山宅に侵入し、赤ちゃんを連れ去る。

希和子は「薫」と名づけた赤ちゃんと共に

3年半の逃亡と事件後

大人になった子供・恵理菜(井上真央)の

葛藤を描く。

 

希和子が、丈博の子供を妊娠して

堕胎したことで妊娠できない身体に

なってしまうのは

すごく、女性としてショックだと思うんだよね・・・

 

希和子が、連れ去った赤ちゃんを

「薫」と名づけて、4歳まで

ほんとに、愛情たっぷりに育てるのが

すごく、切なく感じた・・・

それも、逃亡しながらの生活・・・

 

どんなキモチで、希和子は薫を見ていたのか

痛いほど、伝わる映画だった。

 

自分の赤ちゃんを連れ去られた母親

恵津子(森口瑤子)も、4歳になって

戻ってきた我が子と、どう接していいか

わからず、ついイライラしたり

ヒステリックになったりと・・・

恵理菜としては、愛情なんて感じられないだろうな・・・

でも、母親の恵津子も、すごく不幸だと思う。

 

この作品は、誰ひとり、幸せにならない・・・

 

不倫って、誰も幸せにならないって

改めて思うよ。

 

大学生になった恵理菜は

親子関係が、ずっと、ギクシャクしたまま

一人暮らしを始めて

不倫の末、妊娠してしまう・・・

希和子と同じ道を歩んでしまってるんだよね・・・

 

小さい頃、希和子が、たくさんの愛情を

注いで、育てても

やっぱり、大人になると忘れてしまうのか・・・

恵理菜が、希和子のことを

よく、思ってないことから窺える。

 

恵理菜に、近づくフリーライター

千草(小池栄子)との出会い。

千草は、恵理菜が希和子と一緒にいた

「エンジェルホーム」で、恵理菜が薫だった頃

一緒に遊んだ子供だった。

 

恵理菜と千草は、薫だった頃の

思い出を辿って

希和子の足取りを、自分探しの旅が始まった。

 

逃亡しながらの育児、子育て

自分の子供じゃないのに、ほんとに

希和子の薫への愛情は

血のつながりなんて

カンケーないってくらい深い。

 

ずっと、このまま、逃亡してほしい!

と、願ってしまうくらい・・・

 

希和子も、薫も、すごく幸せそうだったから・・・

 

希和子が、フェリー乗り場で

逮捕される時

薫が、まだ、何も食べてないことを

叫ぶシーンが、もう、ほんとに

まぎれもない母親なんだよね・・・

 

私は、永作博美という女優は

正直、あまり好きではないんだけど

この役は、すごく合ってたと思う。

 

井上真央は、「キッズ・ウォー」から

ずっと、好きな女優で

永作博美に負けないくらいの演技力で

ぶつかってくるのが、すごい。

 

過去を辿り、自分は希和子から

愛されていたんだって実感して

千草に、子供を産む決心を叫ぶ・・・

 

映画を見ながら、ずっと思ってたのは

大人になった恵理菜と希和子に

再会してほしい!!

そんなことを、思った。

 

でも

映画では、再会しないまま

終わっちゃうんだけど

 

恵理菜が、希和子の足取りと共に

愛情を実感したことに

重きを置いたのかもしれないな・・・

 

すごく、いい映画だと思った。

 

そして、やっぱり

不倫する既婚男性って、最低だなって。

 

既婚男性って、ダメージないよね?

 

この映画でも、ダメージ受けてるのって

奥さん、不倫相手、そして、娘・・・

 

もし、不倫がなかったら

奥さんは、恵理菜と仲の良い親子だったかもしれない。

希和子も、結婚して子供を産んだかもしれない。

恵理菜も、不倫せず大学生活を謳歌していたかもしれない。

 

いろんな可能性を、不倫って

一瞬で、潰してしまうんだ・・・

 

そんなことを、思った映画でもあった。

Dear

Dear

  • 中島 美嘉
  • J-Pop
  • ¥255
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万引き家族

「誰も知らない」の是枝監督の最新作。

 

万引き家族」は、久々の是枝監督の

映画を観に行った。

 

東京の下町に暮らす

柴田治(リリー・フランキー)と妻・信代(安藤サクラ

息子の祥太(城桧吏)、信代の妹・亜紀(松岡茉優

治の母・初枝(樹木希林)と同居していた。

 

治と信代のお給料と初枝の年金と

治と祥太が万引きをして生計を立てていた。

初枝は、表向きは独居老人で

同居人の存在自体、秘密にしていた。

 

治が、たまたま、団地の外廊下で震えている

女の子(佐々木みゆ)を見つけ連れ帰るんだけど

信代が、女の子の体中の傷跡で児童虐待を疑う。

多分、信代も虐待されて育ったのかもしれない・・・

そして、その女の子を「りん」と名付け

祥太の妹として、一緒に暮らすことになる。

 

この作品も、実話をもとにした映画。

 

すごく、貧乏な暮らしをしつつも

6人は、幸せそうに暮らしてる。

 

映画を観ていくと、それぞれが

いろんな事情を抱えていて

実は、全員、血がつながらない家族だと

わかるんだけど。

 

私は、血のつながりなんて信じてないから

血のつながらない者同士が

一緒に住んで幸せならいいと思う。

 

ただ、治が生きていく上で

「万引き」という手段しか知らなかったのが

すごく、不幸だったと思う・・・

 

祥太が、万引きで捕まり

家族それぞれが、バラバラになる・・・

 

祥太は、学校に通うようになり

普通の子供として生活をする。

 

りんは、本当の両親のもとへ帰され

再び虐待の被害者になっていた・・・

 

血のつながりってなんだろう?

本当の家族ってなんだろう?

本当の幸せってなんだろう?

 

と、問いかけている映画に見えた・・・

 

信代が、警察官(池脇千鶴)に

自分のキモチや、いろんな疑問を

投げかけるのが

本当に、一体、何が正解なんだろう・・・

と、考える・・・

 

りんは、この先、どうなっちゃうんだろう・・・

もしかしたら、最悪、死んでしまうかもしれない・・・

 

偽装家族は、裁かれるけど

りんの虐待してる両親は、裁かれないんだろうか?

 

いろいろ、考えてしまう映画だった・・・

 

タイトルで、良くないことを教える映画だと

勘違いした人もいたみたいだったけど

内容、ちゃんと観てほしいと思った。

 

6人は、それぞれ、寂しかったんだと思う。

そして、寂しかった者同士が

家族になった。

それが、本当に、幸せな時間だったと思う。

 

何が、正解か?

何が、間違いなのか?

Living Sketch

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岩井俊二作品。

 

マンションの一室に暮らす夫婦。

夫・由紀夫(豊川悦司)と、妻・萌実(山口智子

 

由紀夫の仕事が、忙しく

萌実は、退屈な時間を過ごす・・・

 

萌実は、編み物を始めるが

家中のものを縛り始める・・・

亀のシーンが、印象的・・・

 

心配した由紀夫が、萌実を連れて

カウンセラーに診てもらうと

「強迫性緊縛症候群」と診断される。

どんどん、萌実の症状は悪化していく・・・

 

幸せそうな夫婦が、壊れていく様を

描いている映画だ。

 

壊れていくのに、まるで、それが

芸術的に見えるから岩井俊二マジックは

すごい・・・

 

あらゆるものを縛る光景でさえ

芸術的なんだ。

 

萌実は、もっと、由紀夫に

かまってもらいたかったんじゃないの?

 

一緒の時間を過ごしてほしかったんじゃ

なかったの?

 

萌実の孤独や退屈が、病気を悪化させてると

思ってたけど・・・

 

最後は、由紀夫の前から萌実がいなくなる・・・

 

あんなに、由紀夫の前で、可愛かった萌実が

由紀夫の前から、いなくなるなんて・・・

 

由紀夫が、最後に

 

「結局、ぼくらは縛られていたのだろうか?

解けていたのだろうか?」

 

萌実は、大好きだった由紀夫から

離れてどうやって生きていくんだろう・・・?

 

どうして、行方不明になってしまったんだろう・・・

 

由紀夫が孤独になって終わる

この結末に

 

当時、私は、わからないな・・・

難しいな・・・

 

と、思ってたけど

 

萌実が、縛りたかったのは

ふたりの愛だったんじゃないか・・・

 

見えるものを縛りたかったんじゃなくて

見えないものを縛りたかったんじゃないか?

ツレがうつになりまして。

当時、私が、この映画を観ようと思ったのは

私も「うつ病」だったからだ。

この映画は、うつに対して、どんなメッセージを

届けるのか?

 

ツレ(堺雅人)とハル(宮崎あおい)の

夫婦役が、とても、かわいかったのも

映画を観た理由w

 

ツレは、激務の仕事をこなし

毎朝、お弁当も作る。

 

そんな、ツレの様子がおかしくなる・・・

「死にたい」と呟いたり・・・

 

激務とストレスによる心因性うつ病と診断されるも

会社の上司は、理解がなく、会社を辞めさせてくれない。

マンガ家の妻・ハルは

「会社を辞めないなら離婚する」と告げ

ツレは、退職して主夫になる。

 

薬療法や認知療法でツレは「日記」をつける。

薬療法で、元気になるが、波があり

やっぱり、ひどく落ち込んだりする・・・

ハル自身も「ガンバらないぞ」と思いながら

生活するが、失業保険も切れ

連載も打ち切りで火の車状態に。

 

そんな中、うつ病経験者の編集者から

ツレがうつになりまして」の仕事をもらう。

ツレが、講演で話す言葉に

「あとで」が大切で「あせらず」

「特別扱いをしない」

「できることとできないことを見分けよう」

 

きっと、この映画で伝えたかったメッセージは

それなんだなと、思った。

 

うつになった家族を、どう支えるか。

 

それを、重く暗くせずに

コミカルに、描いたのは良かったと思う。

 

正直、うつになった本人も、かなり、しんどいけど

支える方も、しんどいから

そのしんどいところばかりじゃ

まず、映画を観たいと思わないだろうし

リアルを描くなら、ドキュメント方式にするべきだし

 

それを、映画としてコミカルにしながら

伝えたいことを伝えたのは

正解だったと思う。

 

社会で、うつ病の理解が、当時から今でも

ないと思ってるので

 

この映画は、ある意味、挑戦だったと思う。

 

うつ病の人がいるよ。

うつ病て、人それぞれ症状は違うけど

こんな風になることもあるよ。

 

それだけでも、理解してくれたら

いいと思うんだよね。

 

そして、ツレのことを大好きなハルを演じる宮崎あおい

ほんとに、かわいくてwww

髪型とか、もう、めっちゃ、かわいいしかないwww

 

配役も成功だったと思う。

アマノジャク

アマノジャク

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